2005年のスカイスポーツシンポジウムでの発表原稿を元に、ブラッシュアップしたものです。
「テストフライトの問題事例」編(第3回)
第3部「セッティング不良編」
機体のセットアップのミス事例です。
2005年のスカイスポーツシンポジウムでの発表原稿を元に、ブラッシュアップしたものです。
「テストフライトの問題事例」編(第3回)
第3部「セッティング不良編」
機体のセットアップのミス事例です。
| 過大な滑りの発生 → 滑走路からの逸脱 |
(原因)上反角不足
(調整)ワイア長の見直し
飛行中、過大な滑りが発生した事例です。このフライトは、左前から1~2m/s程度の風が 入っています。 当初は安定したフライトを見せていますが、風にあおられたあと、姿勢が崩れ、大きな高度損失を伴う滑りを示します。 このような特性は、安定性不足と考えます。当チームの機体はフライングワイア方式でたわみ形状を変更できるので、ワイア長をのばし、上反角をつけ直してい ます。第4段階での出来事です。
| ニュートラル位置の不良 → 機体の異常姿勢 |
(原因)センサーのヒステリシス及び確認不足
(対策)毎飛行毎に点検・テレメトリによるリアルタイムのモニター
大きく頭上げで飛んでいますが、水平尾翼をみると異常なトリムとなっていることが分かると思います。このような姿勢は、すぐさま失速に陥る危険性、空力中心の前進による安定性の低下などの問題を起こす可能性があり、避けるべきです。第3段階のものです。
(長らくおつきあいありがとうございました。次回最終回、「テストフライトの問題事例」 第4部「気象の要素編」を2007/06/04に掲載予定です。)
ykuni
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