記録は重要ですし、どうやって記録を取って管理をしていくのか、について

1.はじめに

Coolthrustの活動はどうなっているのか、相変わらず休止中です。いつでもやりたい気持ちは持っています。
機体の製作はしていませんが、断続的に人力飛行機の活動を手伝っています。そのような中で気になっていることを発信したいと思います。

今回取り上げるのは、「記録」です。改めて言うまでもなく、記録の重要性は皆さん分かっていると思います。しかし、十分に記録が活用されているとは思えない事例をみることもあります。記録が活用できない理由は、いろいろなものが思いつきます。忙しい、引継ぎがされてない、記録の仕方が分からない、・・・趣味の世界でそこまできっちりと書類を作っていくことは面倒なことです。私もそう思います。それでも、記録を作ることを薦めます。CTでは少ないながらも活動結果をSSSやHPで発表したり、主桁折損のような事例はチーム内で検討記録を作ります。そういう機会を使って情報を整理しているのです。(主翼折損については、後ほど事例を挙げて説明したいと思います。)
改めて、記録はなぜ重要なのか、それは、人がいやなことは忘れたいからだと私は思います。しかし失敗事例は忘れたいですが、忘れてしまえばまた同じ失敗をするかもしれません。同じ失敗をする方がいやですよね。

そこで記録を楽にとって、活用していくことを考えます。この目的を達成するため、フォーマット化された記録を作ることを提案します。そのために、あるフォーマットを紹介します。そのフォーマットは米国のリスクマネジメント手法で使われるワークシートです。このワークシートの出典元であるリスクマネジメントの手法自体は、多くの人員がいて、多くの事例が起こるようなケースで有効であると思うので、ここでは割愛します。(今後、より小規模な組織で使えるようにアレンジできたら取り上げたいと思っています。)とはいっても、フォーマットを流用するのでそのエッセンスは入ってきます。

2.フォーマット

そのフォーマットはこのようなものです。

リスクマネジメント・ワークシート
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英語で例が書き込まれていますが、「消火活動」のときに「消防士が必要な装備を持っていくのに失敗した」という問題が生じて、この対策として「事前準備の方針を決めて、監督者がちゃんとみる」ということを決めて、それを実現する4つの方法について書かれています。

このシートの目的を簡単に言うと、ある行為を行うときに、1.問題を見つけて、2.対策を決めて、3.その効果を確認すること、を、4.ちゃんとやる。ということです。
もう一つ、以下の三つを心がけると効果的といわれています。

  • 十分な対策であること
  • 実行可能であること
  • 測定可能であること

3.プロセス

ちゃんとリスクマネジメントをすると、プロセスらしくなるのですが...しかしリスク評価やプロアクティブな活動(事前検討による防止活動)は、概念的には説明できても具体的に役立つ、万能の公式はありません。事例にあわせたノウハウを開発しないと効果的に使えません。ここでは、多少主観的になったとしても、感覚的にやばいやつを、再発させないことをターゲットと考えています。

まずは、運用状況/作業項目を特定します。試験飛行の実施とか、荷重試験の実施とか、日々の作業の単位でもよいです。考える範囲を特定します。あんまり広いと対象になるものが増えすぎて考えにくくなるので、うまく調整してください。

1.問題を見つける

これは、問題だと思ったことをどんどん記録することまずするべきです。自分のチームで起こったことも、他のチームで起こったことでもかまいません。

  • どんな問題を起こす状況(ハザード)があるか
  • どんな問題(リスク)が起こるか
  • その問題は、重大かどうか(リスクレベル)

2.対策を決める

  • 1.で特定したハザードそれぞれに対策を決めます。対策はそれぞれに立てて、複数でもかまいません。
  • 対策は、具体的に実行可能かどうか(無理なことはしない)、が大事です。
  • 作った対策はいつやるか。今でしょ・・・ではなく、短期的に処置するのか、長期間にわたって対策するのか、繰り返しの処置がいるのか等、対策をどのように定着させるのかを考えます。
  • またこのとき、どんな効果が見込まれて、それをどう調べるのか、も考えます。
  • 対策した結果、リスクレベルがどう変化したか検討して記録します。
(ここは、言うが易しで、実行は難しい。)

ここで、4.です。

  • ちゃんと検討結果を確認します。誰かがつくって作りっぱなしということがないよう、中身が分かる複数の人で内容を確認します。

で、3.です。

3.その結果を確認する。

  • 11の実践方法が3.にある理由は、2.の方針が決まっても、実際にどうするか時間をかけないと分からないものがあったときのためです。すぐ処置するものは、2.と同時に決まるでしょう。
  • 1.で決めた処置の時期を考えて、狙った効果が出ているか確認します。
  • もし、効果が出ていなければ、対策の再検討の必要性を吟味します。
  • 抜けを防止するよう、定期的に記録全体をレビューします。機体の設計やチーム体制の変更も加味して、対策が有効に機能しているか確認します。

特に毎年メンバーの入れ替えのある学生の鳥人間チームでは、最後のレビューを引き継ぎと同時に行うと効果的ではないでしょうか。

まずはざっくりと基本フォーマットの説明を書きました。今後、事例を入れて使い方を研究したところを紹介したいと思っています。

ブランクシート(和訳)RM.pdf

ykuni

このブログ記事について

このページは、が2013年4月 8日 00:08に書いたブログ記事です。

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