人力飛行機制作集団Coolthrust 「人力飛行機の試験飛行における安全対策について」 ~実例紹介を通じて(その6)

2005年のスカイスポーツシンポジウムでの発表原稿を元に、ブラッシュアップしたものです。

「テストフライトの問題事例」編(最終回)

第4部「気象の要素編」

非常に軽量である人力飛行機は、ちょっとと思える気象要素の問題でも、危険な状態に陥ることがあります。二つの事例を紹介します。

2005年のスカイスポーツシンポジウムでの発表原稿を元に、ブラッシュアップしたものです。

「テストフライトの問題事例」編(最終回)

第4部「気象の要素編」

非常に軽量である人力飛行機は、ちょっとと思える気象要素の問題でも、危険な状態に陥ることがあります。二つの事例を紹介します。
背風
地上サポートを飛び越してしまう

 離陸時には最大0.5m/s程度の背風でしたが、比較的穏やかと感じたのでスタートさせています。 しかしながら、予想以上に飛距離が伸び、サポートを飛び越してしまっています。 このときはかろうじて、追いつくことができましたが、滑走路外へ飛び出してしまうこと等、危険な状況になり得たと思います。

サーマル(上昇気流)の影響
滑走路上、場所によって追い風、向かい風が細かく変動 → 高度制御ができず、滑走路外に墜落

 風に影響されやすい人力飛行機では、微少な変化でも致命的な結果を招くことがあるという事例です。 朝日が昇り気温が上昇してくると舗装された滑走路とその周りの草地で地表面の温度差が生じます。滑走路上に生じた上昇気流により周りから空気を吸い上げる 状況の中での離陸となり、離陸時背風、さらに滑走路上の場所によって風の方向が180度変化した結果、向かい風基調に変化し、高度処理ができずオフ・ラン ディングになったものです。

 一般に風がない時が試験のチャンスと考えがちですが、逆にどの向きの風が吹くか分からないということでもあります。特に滑走路上に小さなサーマルが発生するような状況では細心の注意が必要で、飛行をあきらめることも検討できると思います。


 以上、全6回にわたりテストフライトで注意すべき点のいくつかを、クールスラストの経験を元に解説してきました。これらによって、充実したテスト フライトが実施され、ひいては人力飛行機製作・飛行の安全に寄与することを期待しております。内容の間違い、不明な点、疑問の点などありましたら、webmaster@www.coolthrust.mydns.jp までご連絡下さい。ありがとうございました。

ykuni

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このページは、が2007年6月 4日 00:00に書いたブログ記事です。

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