人力飛行機制作集団Coolthrust 「人力飛行機の試験飛行における安全対策について」 ~実例紹介を通じて(その3)

2005年のスカイスポーツシンポジウムでの発表原稿を元に、ブラッシュアップしたものです。

今回から、実際に試験飛行で経験した問題事例を紹介します。ここからがお楽しみです。今だから言えますけど。

「テストフライトの問題事例」編(第1回)

第1部「設計不良編」

設計時に検証を加えることで、防止することができたであろう問題事例を集めました。
より高度な対策(メーカーでは当たり前のことですが)としては、故障モードおよび影響解析(FMEA)や、故障木解析(FTA)を行うことが考えられますが、正直なかなか手が回りません。
これらについても説明したいと思っていますが...気分が乗るまでお待ち下さい。

2005年のスカイスポーツシンポジウムでの発表原稿を元に、ブラッシュアップしたものです。

今回から、実際に試験飛行で経験した問題事例を紹介します。ここからがお楽しみです。今だから言えますけど。

「テストフライトの問題事例」編(第1回)

第1部「設計不良編」

設計時に検証を加えることで、防止することができたであろう問題事例を集めました。
より高度な対策(メーカーでは当たり前のことですが)としては、故障モードおよび影響解析(FMEA)や、故障木解析(FTA)を行うことが考えられますが、正直なかなか手が回りません。
これらについても説明したいと思っていますが...気分が乗るまでお待ち下さい。

不十分な操縦性(CT1)低い応答性

(原因1)テールブームの剛性不足
(原因2)主翼のT曲げ剛性不足
(対策)(CT2)それぞれの剛性の向上 ・テールブーム径を10%増、積層構成見直し ・リアスパー径20%増、主桁との距離確保等

  この映像からもテールブームの曲げ・ねじり剛性がともに不足していることが分かります。 また、主翼の前後曲げ剛性も低く、主翼の変形によりヨー発生の遅れを生じていたと考えています。 これらについてテストフライト時に十分な検証をできておらず、結果として琵琶湖でのフライトの状況に陥ったと考えています。これを反省材料とし、CT2で は、操縦性の大幅な改良を行い、特性が改善していることをテストフライトで確認しています(次の動画を参照)。

操縦桿の強度不足

 操縦桿の軸強 度が不足のため使用中にもげた、という事例です。クールスラストの機体は、操縦系統にフライバイワイア方式を採用していますが、フライバイワイア方式をと ると、操縦桿の操作量を計るセンサーを組み込むことが必要になりますが、センサーの組み込み場所を確保するため強度が不十分になったものです。

操縦系統の誤動作

(原因)発泡スチロールの静電気

(対策)機体アースの充実

 操縦系統単体での動作は正常であるにもかかわらず、機体搭載時に誤作動が起こることがありました。これは、パイロットを覆う発泡樹脂製のフェアリングがすれる際に静電気を蓄積し、電気回路に悪影響を与えた可能性があります。

操縦不能
(原因)電池残量不足
(対策)残量警報の実装

 映像は当日初回の滑走試験で、これは操縦系統の電池切れでした。替えの電池を用意しておら ず、この日のテストフライトはこれで終了としました。出発前の確認不足の問題でもありますが、テストフライト自体は第3段階に入っており、これが飛行中に 発生した場合を考えると、大変重大な問題です。その後の再発防止策として、機体計器に電池残量警報を実装しました。

(次回、「テストフライトの問題事例」 第2部「製造不良編」を2007/5/21に掲載予定です。)

ykuni

このブログ記事について

このページは、が2007年5月14日 00:00に書いたブログ記事です。

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